CROSS TALK天寿園スタッフ 座談会



皆様それぞれ異なるキャリアを経て今の職場にいらっしゃるわけですが、
仕事を通じたやりがいに違いはあるのでしょうか?

利用者様に笑顔で過ごしていただけるように支援することを意識しているのですが、そんな中で自然と「ありがとう」とか「今日楽しかったよ」と言っていただくとやりがいを感じますし、もっと快適に過ごせるように改善していこうと前向きになりますね。

私は小さい頃、なりたいものがたくさんありました。フィギュアスケーターとかお花屋さんとか。ある時、ケーブルテレビのインタビューで将来の夢を聞かれたんです。その時は保育士になりたいって宣言して、今に至ります(笑)。

ふとした時に手を貸すだけで「ありがとう」と言ってくださるんです。「家族じゃないのにてをつないでくれてありがとう」とか。普段は家族と手をつなぐのも嫌がるくらいなのに。

私がいる施設は特別養護老人ホームなので、平均年齢が高いこともあって、割と人数の多い家庭で過ごしてきた方が多いんですよね。
たくさんの家族のご飯を用意したり、ご飯を用意して旦那さんの帰りを待っていたりとか、そうした「家族に何かをやってあげる」という生活に慣れている方が多くいらっしゃるんです。
なので、施設で生活していることを「お世話をしてもらっている」と感じる方が多いのかな?と勝手に想像しています。
そういった背景があるから、何かお手伝いした際にすごく自然と感謝の言葉を口にしてくれるのかな?と。
「家族に対して何かをやってあげる」ことに慣れておられる高齢者の方というのは確かに多いかもしれませんね。
逆に、色々なことを手伝っていただくことに抵抗を感じる方もいらっしゃるのですか?

歩く際にふらついていたり、かなり危ないと感じる方でも、自分の足で歩きたいという意思が強い方は多いです。近くで見ていて転倒の危険もあるし、杖を使っていても心配なので手を差し伸べたいと思っても、「大丈夫、私は自分で歩けます」とおっしゃる方はいらっしゃいますね。

「いらない」って言われてしまうことあるよね。

でもやっぱり転んで欲しくないし、怪我はして欲しくないじゃないですか?
なので冗談めかして「私が手をつなぎたいんです」って言って、私が手を借りるようにして一緒に歩いたりします。はじめは嫌そうなんだけど「そこまで言うなら仕方ないな」と言って、手をつないでもらっています(笑)。

利用者様と職員もですし、職員同士もすごく和気藹々とした環境ですよね。
私は、プライベートでなにか嫌なことがあっても、仕事に来ると自然と笑顔になれます。
私が逆に利用者様に話を聞いてもらうこともありますし(笑)、職員同士でもすごく会話が多いと感じます。
「今日は仕事行きたくないなぁ」という日でも、職場について利用者様や同僚と挨拶をしてると自然に会話が始まって、話している間に「よし、今日もがんばろう」と前向きな気持ちになってきます。

おお〜

出勤前とか、家庭で色々あったりしますしね。ありますよね(笑)?

ありますね(笑)。

「もーう!」と思いながら出勤して、利用者様にあったことをお話すると「大丈夫よ」言ってくれたりして、「まだまだ自分は小さいな」と感じます。
やっぱり色々な経験をしている先輩方には敵わないな、と痛感しますね。
旦那さんを亡くされた方や、お子さんを先に亡くされた方も多くいらっしゃるので、そういった方は辛い経験、悲しい経験をしているのですごく温かみがあるんですよね。
言葉ではなかなか言い表せない暖かさで包み込んでくれます。

無言で頷く

あとは、物を粗末にしないですよね。物を大切に使ってこられた世代の方なので。
つい最近、マスクのゴムを集めているおばあちゃんがいて。私、びっくりしたんですよ(笑)
マスクのゴムとは、この耳にかけるゴムですか?

そうです、そうです。

何に使おうとしていたの?

それがね、布団と布団カバーがずれるから隅っこを固定するのに使うんだって。

あ〜、なるほど。

その方はちょっと手が不自由なんですけど、マスクのゴムって柔らかいので、その程良い伸び縮みが結びやすいんだと仰ってました。
戦争の時の話もよく聞かせていただきますし、本当に物を大切にされる方が多いです。

学びもあるし、そういった利用者様の様子を見るとほっこりします。
学びという点では、利用者様だけではなく職員同士ではいかがでしょうか?

わからないことはもちろん自分で調べるんですが、それでもわからないときはよく質問しています。
そして、わかるまでしっかり教えてもらっています。
勉強会などもよくやっていますし。

先輩や上司であっても聞きやすい環境ですしね。

そうですね、聞きにくいと思ったことはないかも。
前に働いていた職場は先輩の機嫌を気にしたり、聞きにくい時もあったんですけど、今はみなさん優しく教えてくれますね。

うんうん、そういった雰囲気も含めてすごく働きやすい環境だと思います。

もちろん大変な職業だとは思いますけど、今働いている同僚たちとは冗談も言い合えるくらいの関係ですし、毎日楽しく過ごしています。こう言うと仕事してないように聞こえますね(笑)

(笑)

でも、今まで色々な仕事をしてきたんですが、楽しい仕事だなと日々感じています。
学びという点では、利用者様だけではなく職員同士ではいかがでしょうか?

ありますね。利用者様の情報がすごく入ってきやすいです。
他の病院から移ってきた方で看護サマリー一枚だけだったりすると、「これまでどういう過ごし方をしてきたのか」がわからなかったりするんですよね。紙の情報だけではわからない部分が多くて。グループ内の施設から移ってきた方だと、細かい情報もすぐに確認できますからね。

あぁ〜、そうだね。

職員だけでなく利用者様も安心ですよね。

そうですね。ご家族様もやっぱり安心でしょうし。
キャリアアップへのサポートなどはいかがでしょうか?

すごく充実していると思います。もともと歯科医院にいたこともあって、口腔ケアの勉強をしたいと言った際にも「いってらっしゃい!」という感じだったので。向上心がある方にはものすごく良い環境だと思います。

私は、入職してある程度の実務経験を詰んだところで「介護福祉士の資格を取ったらどう?」と施設から声をかけてもらいました。
そんな風にスタッフの経験年数にあわせて、資格を取得できるようにサポートしてくれます。
外勤務体制や外部研修へ参加しやすいようにシフトを組んでくれたりもしますし。
法人内研修も経験年数などに合わせて研修があるため、キャリアアップを考えている方には充実していると思います。

研修でシフトを空ける時でも、周りの職員も「いっておいで」と言う雰囲気がありますよね。

入職前にヘルパーの資格だけは取っていたのですが、介護福祉士などの資格は出産後に働きながら取得しました。
職場の雰囲気として子育てへの理解もありますし、勤務体制も整っていると思います。
急な子供の体調不良で欠勤しても、しっかりカバー・フォローしてもらい安心できますし、だからこそ長く働き続けることができているのかなとも思います。
求職者の方や応募を検討している方に、おすすめのポイントはありますか?

やっぱり利用者様から「ありがとう」と言ってもらえることは魅力ですよ。
あとは国からの補助や手当があるので、毎月の給与プラスαがあってお得です(笑)

小さなお子様がいらっしゃる方で、もしかしたら応募を迷っている方もいるかもしれません。
急な体調不良による休みや早退も、みんな優しく対応してくれます。もちろん査定のマイナスになることもありません(笑)
そういう意味では、ご家庭を持っている方にもおすすめです。

連絡があって早退しなきゃ、というときはむしろ「早く行って!」という感じですよね。
もちろん一人抜けるのは大変ですけど、それはみんなお互い様なので。
協力しあって助け合って日々乗り切っています。

転職前に「お子さんがいても働きやすい職場を目指しているから、安心して来て欲しいです」と面接で言われたんですが、正直半信半疑だったんです…。でも、いざ働き始めたら本当にその通りでした。
それに、歯科衛生士が介護施設で歯科衛生士としての業務を全うできる環境は珍しいと思います。
ですので、歯科衛生士の方で様々な働き方やキャリアを模索している方はぜひ検討してみて欲しいです。

私もパートから初めて、子どもの成長にあわせて上司から背中を押してもらってフルタイムになったんです。
正直「無理だよ!」と思っていたんですが、「チャレンジするなら今だよ」という言葉に支えられて、今では頑張ってきてよかったなと思っています。
